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業界情報

油・水・スラッジ3成分の分離装置とは?仕組みや特徴、おすすめの機種について紹介

油・水・スラッジ分離は工業や環境保全において欠かせないプロセスです。この記事では油・水・スラッジ分離装置の原理や主な用途について解説します。装置の選び方についても紹介しますので、油水分離装置導入をお考えの方はぜひ最後までご覧ください。

油水分離の用途例

油水分離とは油と水が混ざった液体から、それぞれの成分を分けることです。油水分離にはさまざまな用途がありますが、ここでは特にご要求の多い排水(廃油)処理潤滑油や冷却液の回収について紹介します。

排水(廃油)処理

排水(廃油)処理とは、工場や飲食店などで発生する油や脂肪が含まれた排水を処理することです。工場や飲食店などの排水をそのまま下水道に流すと、環境汚染や下水道の詰まりなどの問題を引き起こす可能性があります。そのため法律や条例に基づいて一定の基準以下に油分を減らしてから排出する必要があり、油水分離装置はその際の排水、廃油処理に利用されます。また、ガソリンスタンドや船舶などから回収された廃油に混入した水分を除去し再利用する用途などでも利用されています。

潤滑油や冷却液の回収

工作機械や自動車などで使用される潤滑油や冷却液は、摩擦や熱によって劣化したり、金属片や水などの不純物が混入したりします。そのため、定期的に交換する必要がありますが、そのまま廃棄すると、資源の無駄や環境への負荷になります。

油水分離装置は、このような潤滑油や冷却液の回収にも活用可能です。油水分離装置は、潤滑油や冷却液から不純物を除去し、品質を回復させます。潤滑油や冷却液が回収できることで、コスト削減や廃棄物削減などのメリットが得られます。

油水分離装置の仕組み

油は水よりも軽くて粘り気があるので、水の上に浮いたり、水中に粒子状になって分散するなどの性質があります。油水分離装置はこの油と水の比重や粘度の違いを利用して、二つの成分を分ける装置です。

ただ液体の中に微細な油滴や水滴が分散している場合には目で見ても区別がつきにくく、自然に分離するには時間がかかります。そこで油水分離装置を使用し遠心力や重力をかけることで、効率的に分離することができるのです。

またスラリには油と水だけでなく、スラッジと呼ばれる固形物も含まれている場合があります。スラッジは油や水に比べて重く沈殿することが多いため、この性質を利用した「油・水・スラッジ」の3成分を効率的に分離することができる油水分離装置もあります。

油水分離の方法3選

油・水・スラッジの3成分を分離するための代表的な方法は、次の3つです。

  • 遠心分離式

  • 分離槽式

  • コアレッサ式

遠心分離式

遠心分離式は油水分離に遠心分離機を利用する方法で、高速回転するバスケットの中にスラリを送り込み、遠心力によって油・水・スラッジの3成分を分離する方法です。

遠心分離式は高い分離能力と処理速度をもち、さまざまな粘度や比重の油水混合物に対応できます。また連続式の遠心分離機であれば連続的に処理できるため、大量の油水混合物を扱う場合にも適しています

遠心分離機についての詳細は下記の記事を参照ください。

関連記事:遠心分離機(遠心機)とは?仕組みや構造、おすすめの機種について解説

分離槽式

分離槽式は油水混合物を静置することで、重力によって油・水・スラッジの3成分を分離する方法です。油は水よりも軽いため、上層に浮上し、スラッジは水よりも重いため、下層に沈殿します。分離槽式は構造が簡単で、低コストであるという利点があります。しかし分離時間が長くかかるため、処理能力や効率は比較的低いです。また粘度や比重の高い油水混合物に対応できない場合があります。

コアレッサ式

コアレッサ式は油水混合物に微細な気泡を発生させて、気泡に付着した油を浮上させる方法です。気泡は圧縮空気やポンプなどで生成されます。

コアレッサ式は高い分離能力と処理速度をもち、粘度や比重の高い油水混合物にも対応可能です。しかし気泡生成装置やポンプなどの設備が必要であるため、コストやメンテナンスが高くなる場合があります。

油水分離装置の選び方

油水分離装置には、さまざまな原理で動作するタイプがあります。それぞれに特徴や利点があるため、用途や目的に合わせて選ぶことが大切です。ここでは油水分離装置の原理別におすすめの利用例を紹介します。

遠心分離式

遠心分離式の油水分離装置には、油と水の比重差が小さくても効果的に分離できる、大量の油水混合物を扱えるという利点から、以下のような用途におすすめです。

  • 潤滑油や冷却液の回収

  • 食品工場や飲料工場などの廃油処理

  • 石油精製や化学工業などのプロセス液処理

  • ガソリンスタンド・船舶廃油などのリサイクル処理

分離槽式

分離槽式の油水分離装置はメンテナンス性やコストの低さがメリットとしてある反面、分離効率や処理能力も比較的低いことから以下のような用途におすすめです。

  • 船舶や港湾施設などの排水処理

  • 洗車場や自動車整備工場などの廃水処理

  • 火力発電所や製鉄所などの冷却水処理

コアレッサ式

コアレッサ式の油水分離装置は高い分離効率や処理能力をもちますが、コアレッサの汚れや詰まりにより性能が低下します。また、固形物を含む液体には適しません。このような特徴から、コアレッサ式の油水分離装置は以下のような用途におすすめです。

  • 乳化した廃油処理

  • 水中で発生したオイルスリック処理

  • 石油掘削や採掘などの排出液処理

デカンタ型連続式遠心分離機 三相分離型の紹介

油水分離装置の中でも遠心分離式は高い分離効率と処理能力をもち、油・水・スラッジの3成分を同時に分離できる特徴があります。

タナベウィルテック株式会社では油・水・スラッジの3成分の高効率な分離が可能な遠心分離機、デカンタ型連続式遠心分離機 三相分離型を取り扱っております。この機種は連続的な処理ができ、スラッジを含む廃油も処理が可能です。

デカンタ型連続式遠心分離機 三相分離型の詳細はこちらから

油水分離装置ならタナベウィルテックまでお問い合わせください

この記事では、油・水・スラッジ3成分の分離装置とは何か、どのような仕組みで動作するのか、どんな用途に使われるのか、そしてどのように選ぶべきなのかについてご紹介しました。

油水分離装置の選び方についてお悩みでしたら、ぜひタナベウィルテックまでお気軽にお問い合わせください。

遠心分離機の導入を検討している企業や研究機関の皆様に対しタナベウィルテックでは、多岐にわたる産業での実績をもとに、最適な遠心分離機選びや導入のサポートを行っています。遠心分離機選びにお悩みの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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