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遠心分離機(遠心機)での事故事例3選|原因と対策についても

遠心分離機(遠心機)は、さまざまな分野で活用されている機械ですが、正しい使い方をしないと大きな事故につながる危険性があります。この記事では、実際に起きた遠心分離機での事故事例を3つ紹介し、その原因と対策について解説します。また労働安全衛生規則についても触れ、遠心分離機を安全に使用するためのポイントを確認します。

遠心分離機とは?

遠心分離機は高速回転により発生する遠心力を利用して、液体中の固体粒子や比重の異なる液体を分離する装置です。回転軸を中心に回転するバスケットと呼ばれる部分に、分離対象の液体を入れた容器を設置し、高速で回転させることで数百〜数万Gもの遠心力を発生させます。

この強大な遠心力により比重の大きい成分は外側に、比重の小さい成分は内側に移動し固体と液体、あるいは比重の異なる液体同士を短時間で効率的に分離することができるのです。

遠心分離機は医療分野や食品産業、化学工業、環境分野など幅広い分野で活用されています。例えば、血液から血球成分を分離したり、発酵液から菌体を回収したり、工業排水から不純物を取り除いたりするなど、様々な用途に応用されています。

関連記事:遠心分離機(遠心機)とは?仕組みや構造、おすすめの機種について解説

遠心分離機での事故事例3選

しかしその一方で遠心分離機は高速回転する機械であるがゆえに、適切な取り扱いや安全対策を怠ると、大きな事故につながる危険性も孕んでいます。回転体の破損や装置の故障、不適切な操作による事故など、過去には様々な事例が報告されています。

ここではタナベウィルテックとは異なる遠心分離機メーカで実際に起きた事故事例を3つ紹介し、その原因と対策について解説します。

医薬品現役製造工場での爆発災害

とある医薬品製造工場で遠心分離機の爆発事故が発生しました。作業員2人が原料溶液を入れたポリバケツを持ち上げて遠心分離機に投入していた際、突然爆発が起きました。この事故で作業員7名が死傷しました。原因は静電気スパークによるものと推定されます。

この事故の教訓として、可燃性液体を扱う際の静電気対策の重要性が挙げられます。静電気の蓄積を防ぐために、アースや導電性の容器の使用、必要に応じた窒素パージ、作業服や手袋の素材選定など、適切な対策を講じる必要があります。

廃油精製工場での爆発災害

2013年、千葉県の廃油精製工場で爆発を伴う火災が発生しました。作業員がエンジンオイルの精製作業中、遠心分離機から白煙が出て機械を停止させましたが、タンクが爆発しました。この事故で作業員2名が死亡し、16名が重軽傷を負いました。作業手順に問題があった可能性が指摘されています。

このような事故を防ぐためには、適切な作業手順の確立と遵守が重要です。異常発生時の対応マニュアルを整備し、作業員への教育・訓練を徹底する必要があります。また、遠心分離機の安全装置や防爆機能の点検も欠かせません。リスクアセスメントを実施し、潜在的な危険性を事前に把握しておくことも大切です。

化学工場での火傷事故

1998年、神奈川県川崎市の化学工場で遠心分離機による火災事故が発生しました。作業員が排気バルブとハンドホールの蓋を閉め忘れたため、空気が流入し可燃性混合気が形成されました。さらに静電気の放電により引火した結果、作業員2名が火傷を負いました。原因は窒素ガスシールの不備と静電気対策の不足にありました。

この事故からは、作業手順の遵守と設備の適切な管理の重要性が学べます。バルブや蓋の開閉状態を確実に確認する習慣づけが必要不可欠です。また、可燃性ガスを扱う環境では、窒素シールなどによる不活性化と、静電気の除去・防止対策が欠かせません。作業環境の整備と、作業員の安全意識向上のための教育も重要な課題といえるでしょう。

なおタナベウィルテックでは、使用環境に応じた適切な遠心分離機のご提案が可能です。事故を未然に防ぐためにも、遠心分離機ご利用の際はお気軽にお問い合わせください。

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遠心分離機での事故を減らすための労働安全衛生規則とは

遠心分離機を安全に使用するために、労働安全衛生規則では様々な規定が設けられています。まず遠心機械にはふたを設けることが義務付けられており、内容物の取り出しが自動で行われない機械では取り出す際に運転を停止しなければなりません。 また遠心機械の最高使用回転数を超えて使用することは禁止されています。

特に重要なのが、事業者に課せられた定期自主検査の実施です。労働安全衛生規則第141条により事業者は1年以内ごとに1回、回転体や主軸の軸受部、ブレーキ、外観の異常の有無、ボルトのゆるみの有無について自主検査を行わなければなりません。 検査結果は記録し、3年間保存することが求められます。また自主検査で異常が認められた場合は、速やかに補修等の必要な措置を講じる必要があります。

これらの規則を遵守し、定期的な自主検査とメンテナンスを確実に実施することが、遠心分離機での事故を未然に防ぐための第一歩といえるでしょう。使用者は法令で定められた義務を理解し、適切な点検・管理体制を整えておくことが重要です。

遠心分離機ならタナベウィルテックへ

この記事では事故事例を紹介しながらメンテナンスの重要性について解説しました。しかし自主検査の実施には専門的な知識と経験が必要不可欠です。

そこで遠心分離機のメンテナンスに定評のあるタナベウィルテックの遠心分離機がおすすめです。

タナベウィルテックでは長年にわたり遠心分離機の点検・メンテナンスを手がけてきた実績があります。熟練のスタッフが納入した遠心分離機について、法令で定められた検査項目を漏れなくチェックし、異常の有無を的確に判断します。

また定期的なメンテナンスは事故の未然防止だけでなく機器の長寿命化に貢献するので、遠心分離機のご相談はぜひタナベウィルテックまでお気軽にお問い合わせください。

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