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バッチ式遠心分離機とは?連続式との違いやおすすめの用途についても解説

遠心分離機は多様な産業で必須の装置であり、その中でも 「バッチ式遠心分離機」は特に少量多品種の分離や、分離に時間がかかる製品や固体(ケーキ)洗浄が必要な製品の分離において活躍します。

この記事ではバッチ式遠心分離機の基本特性や「連続式遠心分離機」との違いについて解説します。またバッチ式・連続式それぞれの遠心分離機の種類とおすすめの用途についても紹介するので、これから導入を考えている方はぜひご覧ください。

遠心分離機自体の詳細な解説については下記の記事を参照ください。

関連記事:遠心分離機(遠心機)とは?仕組みや構造、おすすめの機種について解説

バッチ式遠心分離機とは?連続式とどう違う?

バッチ式遠心分離機とは、一定量の物質(スラリ)をバスケットに入れて回転させ「起動~給液~脱液~排出~停止」までの工程を1サイクルとし、1サイクルごとにケーキを取り出す遠心分離機です。

対して連続式はスラリの「給液~固液分離~排出・排液」の工程を連続的に行う遠心分離機です。

ここではそれぞれの特徴やメリットとデメリットについて紹介します。

バッチ式遠心分離機のメリット・デメリット

バッチ式遠心分離機とは、一定量のスラリをバスケットに入れて回転させ、分離が完了したら停止して取り出すタイプの遠心分離機です。

バッチ式遠心分離機の特徴や構造については、以下の動画を参照ください。

バッチ式遠心分離機のメリットとデメリットは以下の通りです。

  • バッチ式遠心分離機のメリット

    • 分離時間を任意に設定できるため、様々なスラリに対応できる

    • 分離効率が高く、高純度な処理が可能

    • バスケット内の洗浄や清掃が容易である

  • バッチ式遠心分離機のデメリット

    • 連続型に比べ、分離にかかる時間が長い

    • ケーキの取り出し方法を講じる必要がある

連続式遠心分離機のメリット・デメリット

連続式遠心分離機とは 回転体にスラリを連続的に供給し、運転しながら固形分を排出するタイプの遠心分離機です。連続式遠心分離の特徴や構造については、以下の動画を見ることでイメージがしやすくなります。

連続式遠心分離機のメリットとデメリットは以下の通りです。

  • 連続式遠心分離機のメリット

    • スラリを連続供給でき、生産性が高い

    • 固形分が自動的に排出される

    • 分離物の量や品質に一定性がある

  • 連続式遠心分離機のデメリット

    • 分離時間の制御範囲に限りがあるため、処理可否範囲にも制限がある

バッチ式遠心分離機の種類と主な用途

バッチ式遠心分離機には、主に以下の3つの種類があります。

  • バスケット型(有孔壁)

  • バスケット型(無孔壁)

  • バイオセトラ型(超高速)

それぞれの特徴とおすすめの用途について、詳しく見ていきましょう。

バスケット型(有孔壁)

バスケット型(有孔壁)の遠心分離機は、回転するバスケットの内壁に多数の穴が開いているタイプの遠心分離機です。内壁にセットした布や金属のフィルタを介し、遠心力によって分離された液体が排出されます。なお遠 心ろ過分離は遠心沈降分離と比較し固形分の含水率を下げられることが特徴です。

このタイプの遠心分離機は、固形分粒子径約10μm以上のスラリを対象とした固液分離に適しています。例えば食品分野では、砂糖や塩などの結晶物質の脱水や洗浄に利用可能です。また化学工業では、合成樹脂や顔料などの粉末物質の脱水や洗浄に用いられます。

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バスケット型(無孔壁)

バスケット型(無孔壁)は、回転するバスケットの内壁に穴が開いていない遠心分離機です。このタイプでは、液体はバスケット内に留まります。分離後は分離液をスキミング装置などにより排出し、バスケット内部に残った固形分はバスケット内に残りますので人手や掻取装置を介して排出します。

無孔壁のバスケット型遠心分離機は有孔壁のバスケット型遠心分離機と比べ、 ろ材では捕集できない細かい粒子の処理ができること、またろ材を使用しない為その分ランニングコストが低く抑えられる点がメリットです。

無孔壁のバスケット型遠心分離機は、細かい粒子の処理が可能なことから、医薬品の分野では、抗生物質やビタミンなどの生物由来物質の分離・精製などにも用いられます。

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バイオセトラ型(超高速)

バイオセトラ型(超高速)の遠心分離機は、ボウルが非常に高速に回転するタイプです。このタイプでは、固-液はボウル内で層に分かれます。その後、回転を停止してバルブを開くことで、各層の液体を排出します。 タナベウィルテックでは遠心効果1万5000G~2万Gでの運転を実現し高効率、高品質な処理が可能です

このタイプの遠心分離機は、微細な粒子や比重差の小さい物質の固液精製分離、生物学的物質の分離に適しています。例えばバイオ・発酵分野では菌体の分離、医薬品分野では血漿や血小板などの血液成分の分離や製剤化に用いられます。

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連続式遠心分離機の種類と主な用途

代表的な連続式遠心分離機の種類は次の通りです。

  • デ・コーン型

  • マルチステージ型

  • デカンタ型

  • 遠心抽出機(液・液)

ここではこれらの連続式遠心分離機の特徴と、主な用途について紹介します。

デ・コーン型遠心分離機

デ・コーン型遠心分離機は、ろ過式と沈降式遠心分離機の特長を組み合わせて改良された機械で、高濃度の物質に対しても安定して運転可能です。 ケーキの含水率が低く、ケーキの洗浄効果が高い特徴があります。

デ・コーン型遠心分離機は固体の粒径が大きい処理物に向いています。用途としては、糖類やアミノ酸、樹脂・ポリマー、金属無機化合物、クエン酸、セルロース、塩・砂糖などの分離・精製が挙げられます。

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マルチステージ型遠心分離機

マルチステージ型遠心分離機は、角度の異なるバスケットを直列に配置した遠心分離機です。 ステージで分離プロセスを効果的に行うことで低いケーキ含液率、高いケーキ回収率、および高いケーキ洗浄効果を実現します。

マルチステージ型遠心分離機は、デ・コーン型と同じく固体の粒径が大きい処理物に向いています。主な用途は糖類やアミノ酸、樹脂・ポリマー、金属無機化合物、クエン酸、セルロース、塩・砂糖などの分離・精製が挙げられます。

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デカンタ型遠心分離機

デカンタ型遠心分離機は、ボール内にスクリュを備えた沈降型の遠心分離機です。スクリュはボールよりも若干速い回転速度(差速)で動作し、沈降した固体をスクリュの差速にて搬送し排出します。

デカンタ型遠心分離機は主に排水処理や製造プロセスにおける固液分離や油水分離に利用されます。 性状の変化に強く、維持管理が容易で、安定した脱水性能が特徴です。設置面積が少なく、密閉構造を採用すればで悪臭や有毒ガスの発生も抑えられるため、安全かつ効率的に運用できます。

油水分離についてはこちらの記事を参照ください。

関連記事:油・水・スラッジ3成分の分離装置とは?仕組みや特徴、おすすめの機種について紹介

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遠心抽出機(液・液)

遠心抽出機は比重の異なる2液を連続的に分離する際に利用される装置です。遠心抽出機を利用することで、一方の液体がもう一方の液体に溶解した成分を抽出することができます。主な用途としては香料の精製やレアメタルの回収などが挙げられます。

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遠心分離機ならタナベウィルテックまでお問い合わせください

この記事ではバッチ式遠心分離機と、連続式遠心分離機の違いについて説明しました。どちらのタイプも液体や固体の混合物(スラリ)を遠心力により分離する装置ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。用途や条件によって、最適な遠心分離機を選びましょう。

遠心分離機の選び方についてお悩みであれば、タナベウィルテック株式会社までお気軽にお問い合わせください。タナベウィルテックは、遠心分離機の専門メーカーとして、豊富な経験と実績を持っています。お客様のニーズに合わせて、最適な遠心分離機の提案や設計・製造・据え付け・メンテナンスまで、一貫してサポートいたします。

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